学研都市線平日夕方10分サイクルダイヤの作成と分析
学研都市線平日夕方10分サイクルダイヤを作成しました。
現在学研都市線の平日夕方は15分サイクルで、快速4本、普通8本と普通の本数が多めになっているので、同線の休日朝のようにこれを均等に快速と普通それぞれ6本にできないかと思い作成しました。
橙・・・快速、緑・・・区間快速
表内のセルの塗りつぶし (住道、四条畷) は緩急接続です。
先着早見表
●のついたところがその列車が先着する駅です。
先ほどと同じく、表内のセルの塗りつぶし (住道、四条畷) は緩急接続です。
快速のグレーの丸は緩急接続駅で普通に乗り換えて先着する駅です。
現ダイヤとの比較 (住道)
そもそもの話、同線で最も利用客の多い住道が損するダイヤでは話にならないです。現行ダイヤと私が考えたダイヤ (以下、改正案)はどちらが得かExcelで比較してみました。
Excelでの分析方法
結果だけを見たい人はこの節をとばしてください。
※ここではExcelでの方法を示していますが、一応紙の上でもできます。しかし、同着や先着の判定を自分の目で見て判断しなければなりません。Excelでは関数や数式のコピーができるので便利です。
Excelの基本操作を理解しているものとして説明しますが、初心者の場合は必要に応じて他サイトも参照してください。
以下のように入力します。
「住道」の部分は「見出し1」を適用します。
次に、「時刻」列に16:00~16:59の時刻を入力します。
「現行」列に、京橋駅の時刻表を参考にして真左の時刻のときの松井山手方面の先発有効列車の時刻を入力します。
※16:10分発の列車は本来は存在しないのですが、同じ本数で比較するため追加します。
快速はオレンジ色に塗ります。
※今回の場合は、先発列車=有効列車ですが、そうでない場合もあるため注意してください。
この記事の一番上の時刻表の画像を参考にして、「改正案」の列に先発有効列車の時刻を入力します。
区間快速は緑に塗ります。
「現行2」「改正案2」列に住道駅の到着時刻を入力します。
※現行ダイヤで存在しない京橋16:10分発の住道駅到着時刻は16:22分に設定しています。
A3~G13セルを挿入タブの「テーブル」でテーブル化します。この際、「先頭行をテーブルの見出しとして使用する」にチェックを入れます。
F4セルに「IF([@現行2]=[@改正案2],"●","")」を入力します。これは現行ダイヤと改正案で住道に同時刻に到着するものを判定する処理です。
「同着」列に●がついている行を削除し、その後「同着」列そのものも削除します。
F4セル (先着列) に「=IF([@改正案2]<[@現行2],"●","")」を入力します。これは改正案の列車が現行ダイヤよりも早く到着するものを判定する処理です。
集計行を追加し、追加された集計行で「個数」を選択し、「30」が表示されていることを確認します。
これは現在あるデータ数の合計を表します。
次に、「先着」行に●のついている行のみを表示し (F3の下矢印をクリックして絞る)、集計行の数値「20」を確認します。
これは現在あるデータのうち、●のついている行の数の合計を表します。●のつく条件は、改正案の列車の時刻が現行ダイヤよりも早く着く場合です。
つまり、●の数が半分以上だと「改正案で得する」、ちょうど半分だと「損得ゼロ」、半分未満だと「改正案で損する (現行ダイヤのほうが得)」ということになります。
今回はデータ数の合計が30、その中で●のついたデータ数は20なので、20/30、つまり、改正案のほうが得ということになります。
現ダイヤより快速系の比率が高いので当然と言えば当然ですかね。
他駅での分析結果
鴫野 10/30 損
住道 20/30 得
野崎 0/22 損
四条畷 24/34 得
忍ヶ丘 20/30 得
星田 27/37 得
長尾 8/37 損
大住 0/10 損
木津 0/10 損
有効本数比較 (1時間当たり)
鴫野 8本→6本 減少
住道 12本→12本 不変
野崎 8本→6本 減少
四条畷 8本→8本 不変
忍ヶ丘 4本→4本 不変
星田 4本→6本 増加
長尾 4本→6本 増加
大住 4本→4本 不変
木津 2本→2本 不変
損得と有効本数には相関関係はないようです。
得する駅と損する駅
得する駅:放出、住道、四条畷~藤阪
損する駅:鴫野、徳庵、鴻池新田、野﨑、長尾~木津
改正案を採用する価値はあるか
得する駅に住道や四条畷といった同線での乗降客数1位と2位が含まれているので、ある程度採用する価値はあるでしょう。しかし、損する駅に長尾、松井山手、京田辺といったそこそこ利用のある駅も含まれているので、その辺をどうするかが課題です。
列車の通過時刻の求め方
皆さんは架空鉄道や、ダイヤ改正案でオリジナルダイヤを作るとき、通過待避のとき、待避列車を何分停車すべきか悩んだ経験はありませんか?
そこで今回は、通過列車の通過時刻の求め方を書いていこうと思います。
以前は列車の通過時刻の求め方が書いているサイトは1つだけあったのですが、いつのまにか消されてしまい、ググってもSPIの通過算の記事しかヒットしません。
今回書く内容は、そのサイトに書いてあったものを偶然ノートにとっていたのでそれを書きたいと思います。
公式
通過時刻を求める公式は以下になります。
①.直前停車駅と通過駅の駅間距離
②.直前停車駅と次停車駅の所要時間
③. ①×②
④.直前停車駅と次停車駅の駅間距離
⑤. ③÷④
⑥.直前停車駅発車時刻+⑤
また、駅間距離はyahoo乗換案内で知ることができます。
公式の応用例
さて、ここからは先ほどの公式を用い、天王寺12:19分発 区間快速 日根野行き (2317H) の杉本町駅の通過時刻を求めてみましょう。
1.直前停車駅と通過駅の駅間距離を求める
Yahoo乗換案内を用いて、直前停車駅と通過駅の駅間距離を求めます。
今回の場合、直前停車駅は天王寺、通過駅は杉本町なので、天王寺駅と杉本町駅の駅間距離を求めます。
6.9kmと求まりました。これが公式①の値になります。
2.直前停車駅と次停車駅の所要時間を求める
今回の場合、直前停車駅は天王寺、次停車駅は堺市なので、天王寺駅~堺市駅の所要時間を求めます。
これも Yahoo乗換案内から知ることができます。
7分と求まりました。これが公式②の値になります。
3. ①×②
先ほど求めた値「6.9km」と「7分」を掛けます。
6.9×7=48.3です。これが公式③の値となります。
4.直前停車駅と次停車駅の駅間距離
8.8kmと求まりました。これが公式④の値となります。
5. ③×④
先ほど求めた値「48.3」と「8.8」を割ります。
時刻表記載のルールに従い、小数部を切り捨てます。
48.3÷8.8=5です。これが公式③の値となります。
6.直前停車駅発車時刻+⑤
今回の場合、天王寺駅の発車時刻「12:19分」に「5分」足します。
12:19+5分=12:24分 となります。
答え合わせ
よって、天王寺12:19分発 区間快速 日根野行き (2317H) の杉本町駅の通過時刻は 12:24分という答えになりましたが、本当に合っているのかを確かめたいと思います。
まず、この列車は、天王寺駅を12:19分に発車し、堺市駅に12:26に到着するので、少なくとも12:20~12:25の範囲内でなければなりません。
12:24分はこの範囲内ですので、取り敢えず最低限の基準はクリアです。
また、この列車の前を走る普通列車は杉本町でこの列車を待避するので、普通列車の待避時間内に収まってなければなりません。
では確認してみましょう。
追い越す列車は、一般的に「追い越される列車が待避駅に到着して2分後~追い越される列車が待避駅を発車する1分前」の時刻に退避駅を通過することが多いです。
つまり、今回の場合は、区間快速に追い越される普通列車が杉本町駅に到着するのは12:22分で、この普通列車が杉本町駅を発車するのが12:27分なので、区間快速は12:24分~12:26分に通過することがわかります。
ここで思い出してみましょう。今回求めた通過時刻は12:24分なので、この範囲内です。
よって、今回紹介した列車の通過時刻の求め方の公式は正確であることが分かりました。
まとめ
天王寺12:19分発 区間快速 日根野行き (2317H) の杉本町駅の通過時刻を求める場合
天王寺駅発車時刻・・・12:19分
①.直前停車駅と通過駅の駅間距離・・・6.9km
②.直前停車駅と次停車駅の所要時間・・・7分
③. ①×②・・・6.9×7=48.3
④.直前停車駅と次停車駅の駅間距離 ・・・8.8km
⑤. ③÷④ ・・・48.3÷8.8=5
⑥.直前停車駅発車時刻+⑤ ・・・12:19+5=12:24分
おわりに
今回は、退避駅での列車の通過時刻を求める方法を紹介しましたが、皆さんも架空鉄道や架空ダイヤを作るときに是非使ってみてください。
今回はここまでです。ありがとうございました。